家具インテリアのあれやこれや

家具のリペアや修理などからリフォームまでいろいろ綴っていきたいと思います。

家具の塗替えの仕方3 塗装編

前回のつづきです。

3.何がしかの塗装をする

仕上げ塗装の説明です。家具の仕上げは、それこそいくつもあります。

こちらの家具塗装の種類を参考にして下さい。

 

塗装といっても、色を塗るわけではなく、家具を守るための被膜を作ったり、表面の質感を変えるのが主な目的なので、基本的に色は透明系の着色されていない物を使います。

 

私の場合は、基本的には刷毛は使いません。

単純にへたくそで刷毛跡が出たりするのが嫌だからです。

漆やウレタンなどのような場合は塗って、ヤスリで削いで、また塗ってを繰り返すそうですが、

かなり大変です。

 

では、どうやって塗るのかというと、

基本的にはボロ布(出来れば綿の肌着などのような浸み込み素材)を丸めて塗ります。

今のところこれが一番楽で、後処理もお金もかからず上手くいきます。

 

その他には着色の場合に塗りムラを防ぐために、スポンジ刷毛をすすめているところがあります。 使ったことがないので、今度使ってみたいと思います。

 

刷毛塗りでも共通していることが、ヤスリ掛けも含めて、木目に沿って平行に塗っていきましょう。

 

この方法は、オイル仕上げの場合は一般的ですが、ラッカーなどでもこの方法で塗ることは可能です。

では、塗り方について説明します。

ラッカー塗装

まず、絶対に必要なのは、「ラッカーうすめ液」これは必ず用意して下さい。

 

濃度はいつも適当ですが、うすめ液:ラッカー、5:1くらいで薄めのほうがはじめは良いと思います。

ラッカーはすぐ乾くので、薄く何度も塗るのには適しています。

ちなみに、良く白い輪染みがついているのは、ラッカー仕上げの家具です。

手に着くと落ちにくいので、使い捨てのビニールの手袋などをしたほうが良いと思います。

この塗り方の特徴は、薄くぬるので、あまり光沢がでません。

厚めに塗って行けば光沢が出てきます。その辺は濃度で調整することになりますが、濃度が高いほど、塗料の伸びが悪くなるので、難しくなります。

 

厚塗りしすぎたなぁ。と思ったら、ラッカー薄め液を布に付けて拭けば、ある程度は落ちます。

塗り重ねの際は、力を入れると下に塗ったの塗装もまた剥がれてしまいますので、あまり力を入れずに塗って下さい。

 

 

オイル塗装

木内部に塗料を染み込ませることによって、水や汚れなどから木を守ろうという考え方の塗装方法です。

ひとつにオイルと言ってもいろいろあります。

クルミ、エゴマ、アマニ油、桐油などが配合される自然油として有名ですが、各メーカーそれぞれ配合量などが違いますので、仕上りのイメージも多少変わってきます。


独特のニオイがあるので、それがダメな人もいるようです。

 

オスモカラー

オイル塗装の中ではもっとも有名な塗料ではないでしょうか?

粘り気があり、しっかり被膜も付きます。

公式サイトでは、刷毛塗りで最後に拭かないで待つ塗り方を推奨しているようです。

日本では、布に適量付けて拭き上げて塗る方法が良く書かれています。

刷毛塗り乾燥はかなり厚手の塗膜が出来、光沢がでます。
拭き上げは被膜が薄く落ち着いた光沢が得られるので、たぶん日本人の好みがこちらだからかと思います。


 

ワトコ

サラサラしたオイルタイプです。
ニオイが少し強い気がします。乾燥してしまえばなくりますので、その間だけですが。
乾いた時に木本来の状態に一番近いのがワトコのような気がします。

 

リボス

個人的にオイル塗装の際一番使うことが多いのがリボスです。

サラサラしたオイルで、適度に水をはじき、そこそこの被膜を確保できます。
若干の光沢が出る気がします。

ニオイもそこまで強くありません。

 

 

最近やる塗り方は、#0(極細)のスチールウールで塗りこむ方法です。

無垢の床などを塗る際にやる方法のようですが、磨き上げる感覚なので、ツルツルになります。乾けば、光沢も落ち着きます。

ただ、鉄の酸化反応なのか、傷を付けて塗るような感じになるためか、木が黒っぽくなります。もともとオイルを塗っただけでも濡れ色になり若干色が濃くなるのですが、それが増すような印象です。ですので、元々の木がチークやウォールナットのような濃い色の木の色の場合は、向いている塗り方だとは思います。



 

ワックス仕上げ

基本的には、オイルと塗り方は一緒です。適量を布に付けて塗っていきます。
売っている物も、オイルと蝋を混合して塗りやすい状態になって売っています。

蝋は大きくわけて、蜂の巣から採れる「蜜蝋(ビーズワックス)」と、ブラジル北部に生息するヤシ科のカルナバヤシの葉の表面の成分を抽出、精製した「カルナバ蝋」があります。

 

家具の場合は、蜜蝋WAXのほうが一般的には有名だと思います。

蜜蝋のほうが柔らかく扱いが楽ですが、ベトつきやすい印象があります。

カルナバのほうが、光沢はあり、ベトツキもあまりありません。

この辺は使い分けですね。

 

具体的に市販されているワックスについて

 

BRIWAX(ブライワックス)

英国製の歴史あるWAXです。蜜蝋とカルナバ蝋が配合されております。
半固形で、塗ってから磨くと光沢が出てきます。


塗ってから拭くだけだと、光沢が安定しませんので、ブラシなどで磨きこむと良いです。

革靴をワックスで磨くのと同じイメージです。 乾くまで、触れるとそこが曇ってしまいます。

被膜は強めです。


溶剤のニオイが結構強いので、出来れば、換気出来る環境で塗り・乾かしをしましょう。

 

HOWARD Feed-N-Wax(ハワード フィーデンワックス)

オレンジオイルを配合しており、オレンジ香りのするワックスです。
ゼリー状の液で伸びもとても良く、オイルの量が多いためか濡れ色になります。

塗ってすぐの見た目の光沢感などは、とても良いですが、伸びが良いということはそれだけ蝋の配合量も少ないと考えるので、長期的な効果は見込めないので、こまめに塗ったほうが良いと思います。

どちらかというと、オイル仕上げに近い感じです。

仕上げ方としては、ラッカーなどの塗装の上から塗るくらいのほうが良いと思います。

汚れを付きにくくすることとツヤを確保するためという意味での使われ方をおすすめします。

 

 

ソープフィニッシュ

ソープフィニッシュは、石鹸水を木材に塗ることによって、汚れなどがついても石鹸水の膜で汚れが落としやすくなるという仕上げです。

あまり見かける仕上げではありませんが、カールハンセン&サン社のYチェアのビーチ材の仕上げとして使われているので、それなりに知っている方はいると思います。

 ソープフィニッシュにする理由としては、「木の質感を活かしたい」かつ「濡れ色にしたくない」という理由の時に使われます。

白木系の木材の場合、その白さを活かしたいが、オイルフィニッシュにすると、濡れ色になって黄色っぽくなってしまいます。木の素地そのままに汚れに少しでも強くしたい。という時に使われるわけですね。 

主にブナ材やビーチ材などの木目があまり無い白木の家具に使われます。

 

今回紹介している商品は実際に使ったことがある商品のみです。

他にもいろいろ塗装の方法もあると思います。